masasis-proseのブログ

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仙台遠征記3 味噌カツ求めて三千里編

『過去のことばっかり見てると意味ないですよ。車だって、ずっとバックミラー見てたら危ないじゃないですか。事故りますよ。来た道なんて、時々確認するくらいが丁度よいですよ。伊坂幸太郎【残り全部バケーション】』

 

櫻田山神社を出たのは14時30を少し過ぎた頃だったろうか。完全に体力を消耗していたので、帰りは歩く気にはなれなかった。タクシーの運転手に、とりあえず最寄りのバス停を教えてもらったので、そこへ歩く。

 

 

帰りのバスの時刻表記は15時50分…歩いていくと3時間はかかるので、ここは一時間待っていた方が無難だな。辺りを見回しても、コンビニすらなく、道の駅みたいな喫茶店もどうやら休業中である。この日の日差しは結構きつかったので、日陰を探して暇を潰していよう。この日は19時にお店を予約してあるし、仙台のホテルにまだチェックインもしていない。

 

なお驚いたのは、この帰りのバスの運賃は100円。どこまで行っても100円。これが列車を失くした町の配慮ということなんだろうか。にしても、運賃上げていいからもう少し本数増やしてもらいたいな。

 

16時57分発の東京行で仙台へ…約30分程かかったが仙台に戻ってきた。とりあえずホテルにチェックインして、大浴場にでも入ってゆっくりしたいところだけど、19時から予約しているからそんな時間もないな。ちょっとだけ休んだら勾当台公園に向かうことにしよう。

 

勾当台公園からさして遠くはないのだけれど、ちょっと分かりづらい所にあるので、以前に訪れたた記憶をたよりに商店街をさまよう。

 

 

この写真はお店の二階。予約まで時間があったので、お店の廻りをうろうろしていたが店主さんから伝わってくるライオンズ愛が半端ない。その名を『一隆』という。


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…お店の主力は何といってもこの味噌カツ抜きには語れない。頼んだのはLサイズだけれども、全く胃にもたれることなく一人でペロリと平らげた。独特に味付けされたこの仙台味噌とカツの絶妙なまでに調和が保たれている。味噌カツといえば名古屋だろうという人もいるだろうが、名古屋の味噌カツは完全に味噌の方が存在感が上回ってしまっている。ここの仙台味噌はあくまでも、カツの引き立て役なのだ。だから名古屋の味噌カツより味はこっちの方が断然上。はっきり言って日本一の味噌カツと言っても過言ではない。それくらいの美味なのだ。歴代で巡ってきたお店の中でもトップクラスに入ると思うし、間違いなく上から数えた方が早い。

 

なおこのお店で奇跡の最上級のサービスを受けられる条件はたったひとつ………………………

 

一・ライオンズファンであること!

以上である。たまたまライオンズTシャツを着ていたので、大将さん、女将さんともども大層喜んでくれた。サービスにポテトサラダをつけてくれたり、福島の郷土料理ニンジンしりしりをつけてくれたり至れり尽くせりである。


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因みに、ここの牛タン もなかなかのおすすめ。大将さんは、もともとは牛タンで有名な『太助』というお店で修行を積まれた身。安易に牛タンに頼らず、牛タンよりも味噌カツの方が看板メニューというのもすごい。

 

聞けば、大将さんは西鉄時代からの筋金入りのライオンズファン。中でも中西太さんの大ファンだそうで、4年前に『ベースボールマガジン』という雑誌が縁で、実際に中西さんがお店に来てくれたことを嬉しそうに話してくれた。話してて思ったんだけど、ここの大将(たっちょ)さんは、仮に料理の道に進まなくても、お医者さんでも教師でもきっと大成されたと思う。もう、このお店を35年も続けられているのだそうだ。お店を観たら分かるんだけど、これだけ長くお店を続けられた1つの秘訣として人との縁を大切にされているんだなあというのがよく分かる。

『世の中の不安だとか怖いこと、忌々しいこととかを全部突き刺して宇宙に飛ばす。いいか、譬え話じゃないぞ!お前なら多分、ホームランで世の中の陰鬱とした問題を、一瞬かもしれないが消し去れる!伊坂幸太郎【あるキング】』

お店は、文化放送の野球中継を流しっぱなしにしてくれていて、この日の西武―楽天メットライフドーム最後の試合をずっと中継していた。優勝も近づき、シーズンも終盤にさしかかると、他の球団含めて戦局が気になるものである。楽天の試合はいつも、もつれることが多いのだが、この日も終盤に追い付かれ、最後にメヒアのサヨナラ弾で決着がついた。

こんな試合があまりに多いので、もう試合展開すら読めていた模様。お店に最後まで居座って決着を聞き届けた。

そんなこともあってすっかり遅い時間になってしまった。ホテルに戻ったら、大浴場に行って1日の疲れを落とすとするかな、今日は寄り道しないでこのまままっすぐ帰ることにしよう。(続く)