masasis-proseのブログ

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交流本企画第二回『冷たい校舎の時は止まる』

前回投稿した記事から約1ヶ月経過してしまいました。なかなか、書こう書こうと思いつつも放置してしまいました。関東では、梅雨がなかなか開けない時期が続いていますが、皆さま如何お過ごしでしょうか?

…そんな梅雨明けを期待しつつ、夏をテーマにした小説を紹介すると思いきや、今回紹介するのは、時期的には真逆な物語です。

この記事を見ている方々はTwitter経由で見に来てくれる方々が多いので、もしかしたら『辻村美月』という言葉に見覚えがある方がいるかもしれません。というのも、春位に見かけたTwitterのTL頑張って息子または娘と、ドラえもんの映画を見に行き、その映画の出来が想定したよりも良かったので、小説も合わせて買ってみたという画像を見た気がするのです。誰かは、忘れてしまいましたが、なら辻村美月を語るうえで欠かせないこの作品を是非読んでもらいたいと思いました。

あらすじ 雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計…凍りつく校舎の中、2ヶ月前の学園祭の最中に亡くなった同級生のことを思いだす。でも、その顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう…。

出版されてから約15年経過していますが、今読んでも、違和感はないですね。ただもうすぐセンター試験が廃止されるそうなので、そういった記述が多少風化してしまう感じが否めません。そして、この小説クライマックスシーンの冒頭にセンター試験のような大問が2つあたかも解かなければ先に薦めないような感じで現れます。実はこの本とても面白いので、これまで色んな人に紹介してきたんですが、ここにもう1つ設問を加えたいと思います。

問・この小説には矛盾している場面が一つあります。それについて考察し、指摘しなさい。

読んだことがない人は、一度是非その場面を探してもらいたいと思います。この場面に初見で気づける人もいるのですが、そういう人はさっきの問題に答えられない人が多かったです。

…この話非常に面白いのですが、その面白さが小説特有の面白さであるがゆえに、あまりに多くには広まらなかったのだろうなという印象です。普通小説が爆発的に売れたら、ドラマ化なり、映画化なりして人気が拡大していくのですが、ところがこの小説はそれをしてきたんですがしまったらアウトなのですね。それゆえにこれは小説だからこそできる技法が採用されています。

というわけでヒントはこれ位にして、今年の春に映画のドラえもんを見たという方、そうでなくてもこの小説純粋に面白いです。というわけで、もし興味があるようでしたら謎解き感覚で一度目を通してみてくださいね。